アメリカ人ゲーム実況者のFF8配信を観たら面白かった
コロナ自粛が始まってから、アメリカ人Youtuberのゲーム実況動画視聴を趣味としている。色々見たところ、海外勢はチームを組んで複数人で実況することが多く、会話が絶え間なくあって飽きない。
視聴する第一目的は英語勉強のためだけではなくて、
・単純に昔好きだったゲームの物語を再度楽しみたい
・日本語版と英語版の違いが興味深い
・配信者とリスナーの反応が面白かったりする(所謂、"海外の反応"というジャンルになるのだろう)
というわけで、7月前半にかけてThe NyanCaveによるFF8実況を一通り観た。生配信をそのままアーカイブとして挙げているので、1動画あたり無編集で2時間ある。クリアまでPart28あり合計56時間ほどだ。もちろん、ただ戦闘しているだけのPartは飛ばしているがストーリーの確信部分はだいたい観た。
印象に残った点をいくつか挙げてみる。
FF8の序盤でプレイヤーに衝撃を与えた有名なシーン
キスティスが年下であり生徒のスコールに思い切って悩みを打ち明けるが、「だったら壁にでも話してろよ」と一蹴される伝説のシーン。「I don't care」とかだったらどうしようと杞憂した。変に意訳してなくて安心した。
リスナーのコメント欄では「Awwwww」というコメントが多数。これ、感嘆のAhaaa or Ohhhhを表すスラングで、可哀そうとか悲しいとかの気持ちを表現する。日本のネットスラングである「www=笑い」とは真逆の意味なので注意。
ラスボス戦での演出が翻訳のせいで微妙だった
当時子供ながら鳥肌が立ったラストバトルのあるシーン、窮地に立たされた魔女アルティミシアが「スコールが最も強いと考えるもの」を具現化して召喚する。それはお守り代わりにしていたネックレスのキャラクターだった。ストーリー中盤でその名前をプレイヤー自身が名付けることができるが、それ以降話に挙がることはなく、誰もが忘れかけていた最終戦で、敵の召喚獣としてようやく伏線回収される。
日本語版
「おまえの思う、最も強いものを召喚してやろう」
「おまえが強く思えば思うほど、それはおまえを苦しめるだろう」
英語版
「The most powerful GF ... You shall .... SUFFER...」
うーん、だいぶ省略されている。案の定、彼らは最初ただのベヒーモスかバハムートが召喚されたと思っていた模様。そしてリスナーが↓のような日本語版での直訳を補足してくれたおかげで理解できていた。その後、コメント欄で昔のFFは翻訳がダメという話がチラホラ出てくる。他にも沢山あるのだろう。
The original text is : I will summon the one you believe is most powerful. The stronger you believe he is, the stronger he becomes.
Japanese text explains it as she made a GF out of what Squall thought was the strongest being possible.
==>「so... such a Squall's imagination?」
それにしてもリアルタイムで日本版のセリフを教えてくれるリスナーたちは一体何者なんだ・・・。
ママ先生の英語訳は「Matron」
スコールたちは物語途中から魔女イデアのことを孤児院時代の先生だと知り、子ども時代の呼び名の通り「ママ先生」と呼ぶ。ママ先生!?と急に幼稚な響きになって驚いた記憶があるが、英語版では寮母を意味する「Matron」となる。
~おじゃる、という語尾
オダイン博士の語尾は日本語版だと「~おじゃる」で浮世離れした特徴的なキャラクターを描いている。英語版だと、thやs, zのサウンドをすべてZに置き換えることで、口語に癖があることを表現。
アルティミシアもcがkになっていたりする。このようなギミックは、洋書の会話文でたまに目にする。綴りをあえて間違わせたり、小文字と大文字をあべこべに混ぜたりする。
エヴァンゲリオンの影響、90年代後期の雰囲気について言及
クリア後の感想で、このゲームが99年に発売されたことに対してどう思うか、とのリスナーの問いに、その近辺の作品はすべて当時の近未来への恐れが反映されているんじゃないか、という考察があった。96-7年あたりのエヴァブーム、97年のFF7に続き、精神世界での戦いや世界終末=アポカリプス感はなんとなく似ている(まぁFF作品はどれもそんな感じの雰囲気だが)。日本では「2000年問題」と騒がれたが、アメリカでは「y2k」という用語があったらしい。もしかしたら日本でもIT界隈では有名だったのかも。そんな世相を思い出すね、と話していた。
ちなみにリスターからは、「y2kとは2020のことだった」「2020がまさにそうだ」というコメントがあった。
まさにその通り。今年はアポカリプスだ。
ゲーム実況動画はNativeとの英語リーディングスピードの差を知ることができる
このFF8実況動画は、基本全セリフを彼らが復唱するためそこまで気にならないが、ゲーム中の些細な会話や説明文を読み飛ばすときがある。彼ら自身が理解したらどんどん会話をめくっていく。
たまに、こちらが読んでいる途中で飛ばされることがあり、そのときはNativeとのリーディング力(理解スピード)の差を思い知らされる。僕はTOEICのリーディングパートでは時間が余るくらいのレベルだが、まだまだ英文読書量が足りないのだと痛感する。
英語勉強法としてのゲーム実況動画
意外とオススメ。ドラマや映画と違って、日本語・英語字幕がなく彼らの言葉を耳で理解するしかないという逃げられない状況が良い。ゲーム好きであれば趣味ともマッチして苦にならないと思う。僕の場合、ご飯を食べながら垂れ流し、肩の力を抜いて楽しんでいた。
ただ、ゲーム実況動画をそもそも見ない人や、"英語勉強第一"な人は普通に英語テキストやフレンズなんかでリスニング・シャドーイングした方が効率は良いことは言うまでもない。
実践度という意味では、ラフな口語表現やネットスラングには強くなれる。Nativeが普段どんな感じで友人とゲームするのか、雑談するのか、ということに関しては映画よりもリアルな英語を知ることができると思う。
最後に、
FF7や10、また、最近発売されて話題になっているゴーストオブツシマなども多くのプレイヤーが配信・実況しているので、機会があれば感想を投稿しようと思う。